印刷会社に求められる3つの力
長い間、印刷会社というのは、いかにお客様の要望通りの印刷物を作ることができるのかということが中心問題でした。しかし物が売れなくなり、メディアが多様化してくるなかで、お客様の方も「よく考えて印刷物を作ったりメディア展開をしないと効果が得られない」と考えるようになります。
大手企業なら広告代理店とかが、あの手この手で提案してくれるんでしょうが、中小の企業や団体ではそうはいきません。そうなると、そういう事に一番近いであろう印刷会社に提案を求めてくるというのは必然的な流れではないかと思います。
実際、以前は個別の印刷物についての提案を求められることは当然ありました。それらの多くはビジュアル提案が主で、カンプのよしあしによって採用不採用が決められていました。しかし最近では「会員拡大全般について提案してくれ」というような『テーマ発注』とでもいうべき要請が増えてきたように思います(しかもそれがコンペだったりするわけです)。
どの仕事も予算的には厳しいものが多いのですが、『テーマ発注』でくるものについては、比較的たくさんの予算を確保するという傾向があるように思います。要するにお客様の中でも、お金をかけてでもやるところと、そうでなくケチケチでいくところをキッチリ分け始めてきているということでしょう。
印刷会社としては、この「お金をかける方」の仕事を中心に受けていくのか、ケチケチ路線の仕事を中心に受けていくのかでは、収益が全く違ってくると思います。
うちの会社としては、ケチケチ路線に対応してでも収益を上げることができるような力はないので、難しいけれども、お客様にとっての「ハウスエージェンシー」的なポジションに位置できるようになっていかないといけません。ちなみにハウスエージェンシーというのは、本来は「特定の広告主のためだけの広告会社」という意味ですが、印刷会社の場合は、特定の企業相手と言っても一社だけでなく、複数の主要な顧客に「ハウスエージェンシー」として認めてもらえるようになってゆかないといけないとは思います。
そういうポジションに位置できるために、印刷会社に求められるている力として以下のようなものがあると思います。
- マーケティング能力(marketing)
- プランニング能力(planning)
- クリエイティブ能力(creative)
言い換えれば、顧客の事業や運動についての、戦略をたて(marketing)、戦術を立案し(planning)、実際に必要なものを創り出す(creative)ことのできる能力だといえるのではないか思います。
●マーケティング能力(戦略を立てられる能力)
本来マーケティングとは「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。」(日本マーケティング協会。1990年)というのが定義らしいです。しかしここでは、もう少し狭い意味で「市場の状況と顧客の関係を調査・分析し、どのような広報・宣伝・販促活動を行ってゆけばよいかの戦略を立てるまで」ととらえたいと思います。
ある意味、お客様の事業や運動に対する理解が、お客様の担当者と対等に話せるレベルではなく、経営陣とも話ができるくらいのレベルにしてゆかないとだめだということだと思います。
●プランニング能力(戦術を立てられる能力)
これは立てた戦略を具体的にどう展開するかを考えられる能力です。この場合、印刷会社は紙媒体だけでなく、デジタル媒体も作成することになりますし、必要な場合は物流などについても考えないといけない場合もあると思います。そういう意味では、具体的な制作ノウハウを持っている印刷会社のアドバンテージを生かしていくことが大事なのではないかと思います。
●クリエイティブ能力(必要なものを創り出す能力)
これは必要なものを実際に作り出す能力です。自社に全部抱え込むことができなければ、もちろん外部ネットワークを持てばいいわけです。ただし戦略・戦術をふまえた制作が必要なわけで、最低限ディレクション機能だけは自前で確保してゆく必要があります。
まぁ今まで同じ様なことは、いろんな人がおっしゃってるんだとは思いますが、自分なりにいろいろ考えて上記のようにまとめたら、意外とスッキリまとまった気がしたので書いておくことにしました。

お久しぶりです。神奈川Nです。
「求められる印刷会社」というキーワードで検索していたところ、偶然GOLIROGがヒットし読ませていただきました。
始めは知らずに読んでいましたが、他の記事を読むうちに「もしかして・・・」と思い気が付きました。
すごい偶然・・・。
確かに印刷会社が「ウチは印刷できます」では仕事が取れない時代ですよね。
営業マンも仕事のやり方で「印刷屋」と呼ばれるか、「印刷会社」と呼ばれるかに分かれます。
弊社でもクライアントの「無意識の目的」を見抜き、それに対し「目的達成確率の高い仕組みづくり」をご提案するように努めています。
その為に今後、印刷業界に関わる人間はもっともっと幅広い知識とスキルが求められます。
「メディアの扱い」「流通企画」「SP」「ネットワーク(人脈・企業連携)」「根拠があり専門性の高いプロポーザル」「ブランドへの理解」などなど。
そういう見地からすると、印刷はこの中の一要素なんでしょうね。
大変な時代になってきましたが、ピンチになるか、チャンスになるかは自分次第だから面白いです。
また拝見させていただきますので、宜しくお願いします。