40代後半からのInDesign
今年の1月に、プリプレス制作システムの今後について全社に方針提起をしました。
大まかに言えば、MacDTPはQuarkXPressからInDesignに、WindowsDTPもEDIANやWAVEからInDesignに移行させるというものです。
一部にEDIANやWAVEでないと難しいものもあるので、それはそのままEDIANやWAVEでいくけれども、それ以外のものはInDesign+OpenTypeで組むようにしてOSの垣根、システムやソフトの垣根、部門の垣根を越えてデータをやりとりできる体制を組みたいというのが狙いです。
今まではMacDTPチームが忙しくても、EDIANのチームが応援に入ることはできませんでした。またデザイナーは最初の初期組版だけして、あとの直しなどはオペレータに渡そうとしても、同じシステムやソフトを使っていないと、それもできないという状況でした。特に自動組版はEDIANやWAVEでやっていましたが、やれる人が限られており、最近では半ば定型でないようなものも自動組版で処理する事が求められるようになってきました。なのでこの部分についてはInDesignベースで自動組版できるMETAWORKSを導入しました。
全体のビジュアルデザインとユニットとなるパーツをデザイナーが作り、それをもらったエンジニアがMETAWORKSで組版し、後はオペレータが修正などをしてゆくという体制にしたいのです。もちろんデザイン上の変更があれば、データをデザイナーに戻して直してもらうことも可能です。
約半年が経過し、MacDTPチームは半分くらいの仕事をInDesignでこなせるようになってきました。残りの半分も移行計画を持って、順次移行をすすめてきています。MacDTPチームのInDesignへの移行は、それなりに進んでいるのですが、MacDTPチームは「個人事業主」的なデザイナーの集まりになってしまっていたため、ひとつの仕事を1人で最初から最後まで抱えるという状態(私は1人1品体制と呼んでいます)に陥っています。デザイナーはデザイナーらしく全体のレイアウトやビジュアルをInDesignで組んだら、あとの文字の流し込みや修正は、オペレータと呼ばれる人たちに渡して組版する分業体制にした方が効率や精度、品質を保証する上では有利だと思っています。DTPをやっているとデザイナーがオペレータ化し、それなりに組めてしまうと、それでデザインした気になってしまう傾向があると思います。もっとデザイナーは深い部分でデザインしないと、デザイン上の「付加価値」を生むことが難しくなるのではないかと思うのです。しかし、長年にわたって染みついた1人1品体制を打ち破るのは大変です。MacDTPチームは、これからこの染みついた体質を変えるようにする「苦労」が待っています。
しかしそれ以上に大変なのは、オペレータ集団がInDesignを使えるようになるということです。主にはEDIANしか使ったことのないオペレータ、しかも年齢的に40代後半以上が大半を占める集団が、今からInDesignを使えるようにならないといけないわけです。30代の人もいますが、そういう人でもEDIANという「閉じられた」世界で生きてきたので、いきなりオープンなDTPの世界に移るのは、MacDTPチーム以上の「苦労」や「痛み」が伴うはずです。編集中のデータをどこに保存するかとかEDIANでは意識しなくても済みますが、ファイル管理やフォルダ管理という基礎の基礎から覚えないといけない人もいるんじゃないかと思います。
最近やっと1人の管理職(40代後半)がInDesignで組む仕事を受ける決意をしました。InDesignがまともにうごくマシンがないと言ったので、現在のうちの会社の中で最も高スペックなマシンを購入して与えました(これなら文句ないだろうということで)。今日、何気にそのマシンの後ろを通ったら、別の40代後半のオペレータがInDesignの教習本片手にInDesignを触ってました。「おっ、やってるね」と声をかけると「うん、まぁ…」と照れた笑いを浮かべました。「はやくInDesignマスターって呼ばれるようになってね」と言ったら「まぁ、そのうち…」という返事。自信はまだないけど意欲は持ってくれていると感じました。
うちの会社はリストラはしない方針です(今のところは)。しかし人の補充も基本的にはしないで、現在のスタッフのスキルアップで困難な事態を乗り越えようっていう方針なのです。派遣さんやパートさんを補充するにしても、それらの人に対して指示ができる正社員がいないと、派遣さんやパートさんに「使われる」正社員になってしまいます。
まぁ言ってみれば「落合中日」の1年目みたいな方針です(落合中日は1年目で優勝しましたが)。優勝はできなくても、ぜめてクライマックスシリーズに残るくらいにはなりたいですね〜。そのためには野村監督の著書でも読んで勉強しないとだめかな?…野球に関心のない人は何言ってるかわかんないですよね(笑)。
まぁプロ野球選手は、少なくとも全員が野球のエリートです。ですが、うちのような会社の社員は、誰一人エリートではありません。こうした人たちのモチベーションを維持し向上させながら、スキルアップを図っていくというのは、とても大変なことだと思います。
40代後半からのInDesign…..確かにとても大変な課題ですが、来年の今頃は「苦労したけど苦労した甲斐があったなぁ」と、みんなで喜びあえる状況にしたいです。

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