どーなる?高演色印刷

ここ数年(いやもっと前からか?)印刷業界は「高付加価値印刷」というものを、追い求めてきたように思います。
UV印刷とか、多色刷り印刷とか様々なものが提案されてきました。かくいう我が社も一時期UV印刷機の導入を検討しました。しかし検討している最中に業績が悪化し、印刷機の買い換えは難しい状況になり事実上断念をしました。
そこで性懲りもなく(?)取り組もうとしているのが、高演色印刷というやつです。印刷機は従来の4色機のまま、インクを変えることで、一般的なインクで再現される色域を超えた印刷をしようとするものです。
特に、色鮮やかな絵柄が重視される印刷物では一定の需要があると見られ、そのことにより通常の印刷より高く売れるということが期待されます。
当然のことながらインキメーカー各社も力を入れており、先行する東洋インキは「カレイド(万華鏡の意味らしい)」というソリューションを打ち出しています。東洋インキさんは、あえて「高演色」と言わず「広演色」と言っておられます。大日本インキ(DIC)さんも「湧水(わきみず)」というソリューションを提案しておられます。ちなみにこの「わきみず」という名前は、東洋インキさんの「カレイド」が「涸れ井戸」と読めるため、それを皮肉ってつけたという話があります(それが本当だとしたらセンスがないなぁと思います)。DICさんも「広色域印刷ソリューション」って言ってみえるので、「広演色印刷」の方が実態にあってるのかもしれません。

このソリューションの大きな特徴は、印刷機を買い換えなくてよいということだと思います。例えば6色印刷しようと思えば、そのために6色印刷機を入れないといけませんが、そういう需要が簡単に確保できない場合は、少々高く売れても採算が取れないということになります。経営環境が苦しく、財務的な体力のない印刷会社では、なかなか踏み込める領域ではありません。ただ一方で、踏み出しやすいということは、いきおい競合相手も増えるということです。すでに東洋インキさんのサイトで「カレイド」に対応していると紹介されている印刷会社は50社以上ありました。中部圏でも10社ほどあります。これを多いとみるか、少ないとみるかという問題はありますが、一定の規模で名の通った印刷会社は軒並み名前が載っているように思いました。なので、いずれ一定の規模の会社なら「高演色印刷」に対応できて当たり前という状況が来るのかもしれません。

ならばいち早く対応し、自社に必要な市場を確保してしまうことが大事になってきます。我が社は後発になるとは思いますが、幸いにも「色鮮やかな絵柄」を重視する分野に一定の市場を確保しているので、対応ができれば受注増も見込めるのではないかと思っています。ただ、どこも小規模なところが多いので、どこまで高く売れるかはわかりませんが…。

東洋インキの方がセミナーで話されている動画が無料で公開されています。参考になるので関心のあるかたはぜひごらんください。
http://www.jagra.or.jp/jagrabb/contents/movie/kaleido/

この中で「印刷営業は安く売るのは得意だが、高く売るのは苦手」という指摘があります。本当にその通りです。「高付加価値印刷」は、高く売らないと意味がありません。生産体制は整っても、営業体制がそれに見合った動きをしないと利益は確保できません。そういう意味では「高演色印刷」を含む「高付加価値印刷」というのは、製造・営業ともに意識改革のいる課題だなぁと思っています。

果たして「高演色印刷」は、印刷業界が追い求めてきた「高付加価値印刷」の具現化として定着するのでしょうか?

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コメント:2個

  1. やまだより、 2008/10/1 水曜日:

    高く売るわけではなく価値に見合った価格で売るんですよね。でもそれがなかなか出来ないわけです。売る人たちがまず価値を認めてくれないと売りに行く先に価値を認めさせるのは難しいという図式で苦戦しているところが多いのではないでしょうか?

  2. 石井良行より、 2008/11/16 日曜日:

    ブログを読んで興味があり、コメントさせて頂きます。小生、メーカーの商品企画兼マーケティングを担当しております。9月のPRIMEDEXで参考出品致しましたが、現在弊社では高彩度印刷を可能にするデジタル印刷機を市場に紹介しようとしています。4色トナーにより従来のデジタル機・オフセット機より鮮やかな色の再現を目指しています。まだカレイド領域まで広がっていませんが、従来のデジタル印刷機に比べるとずっと広い色域の再現が可能で鮮やかなC、M、またグリーンの再現ができます。またオフセットよりずって手軽に高彩度印刷ができる、といったメリットもあります。できれば御社の”色鮮やかな絵柄”を弊社機で再現可能かどうか、プリントサンプルをご覧頂ながらお話を聞かせて頂きたいと思いコメントさせて頂きました。宜しければご連絡先をお知らせ下さい。

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