Web to Print理解の肝

Web to Print(以下W2P)っていうのを「Webから印刷物を発注する仕組み」って考えると、印刷通販だってW2Pだし、宅ふぁいる便でデータ送ってもW2Pだし、この際FTPでデータ送るのもW2Pの仲間に入れといてってことになるんだろうと思います。
確かにこれらも広い意味ではW2Pなんでしょうが、印刷会社として考えないといけないのは、データが送られてきてから最終的な出力データを書き出すまでに人が介在するのか、はたまた自動化・無人化されているのかっていう違いだと思います。
印刷会社の各工程は自動化され、システム化されてきましたが、工程間は統合されているわけではなくて、やはり節目節目で人が介在してきました。
うちの会社でいうと制作部門でPDFを作って出力部門に渡すと、出力部門でデータの適合性をチェックし、DDCPに出したり面付けをして最終的なデータ(1bitTiff)に書き出してました。

こういう流れは100万部刷る仕事でも、500部しか刷らない仕事でも同じステップを経ないといけません。正直なところ、多品種・小ロット化が激しい勢いで進むなかでは、こういう手間をかけていては割に合わないといのが実情ではないでしょうか?
例えばお客様が最終的なPDFを作ってくれるのなら、それをWebからアップロードしてくれれば、あとはプリフライトは自動で対応し、お客様の方でOKデータになるまで直してもらい、OKになったら承認ボタンを押してもらえれば、あらかじめ決められたルールで面付けして、最終出力データにするところまでを無人でできるのなら印刷会社側のコストは劇的に下がることになり、小ロットの印刷でも割に合うようになってくる可能性が生まれます。

実はこの自動化・無人化する仕組みをワークフローRIPとか、統合型ワークフローシステムというらしいです。で、この仕組みはWeb上で公開することが前提でなく、本来は社内LANなどでやりとりすることを前提として組み立てられた仕組みなんだと思います、それをWebからも利用できるようにしたのがW2Pだと考えた方が私としてはスッキリします。Web上で完成したPDFをアップロードするのか、Web上のオンライン組版システムでデータを生成させるのかという違いはあると思うんですが、生成されたデータが自動的に処理されて最終出力のところまで行くというのがポイントなんだと思うのです。

会社で外部から講師を呼んでW2Pについて全社員研修をやったんですが、感想文を読んだり話を聞くと、どうもこの自動化・無人化されたワークフローシステムが基盤にあることが十分に理解されなかったようで(講師の話の中身の影響もありますが)、とにかくWebから印刷物を発注するっていうところだけに目がいったようでした。この仕組みを入れれば、顧客だけではなく社内のワークフローまで大きく変わると思うんですが、どうもそこに気付いた人が少なかったのが気になりました。
まぁネーミングが「Web to…」だからしかたないのかもしれませんが、各工程でデジタル化されたシステムが、統合されたシステムへと発展するという理解がないと、正しくW2Pを理解できないんじゃないかなぁと思いました。

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